グッドデザイン賞受賞「あまやどりの家」|デザインで、暮らしと地域を守る

2025年度グッドデザイン賞、受賞のご報告
この度、梅原建設のコンセプトハウス
「あまやどりの家」が
2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。
審査委員により評価された点は
ゲリラ豪雨や線状降水帯による
浸水リスクが、近年常態化する中で
舗装でふさがれがちな庭を
あえて透水性のある「雨庭」として開き
小さな貯留・調整機能(ミニダム)を
持たせた点を高く評価。
これにより浸水リスクの低減に寄与しつつ
晴雨を問わず日常には潤いある水景を
住まい手にもたらしている。
日常の心地よさと災害時の備えを
一体で実現する、いわゆる
「フェーズフリーの価値を備えた提案だ」
というのが、評価された点です。
近年、全国的に災害リスクが高まる中
当地でも度重なる水害や夏冬の気温上昇が
住まいの性能に対する関心を高めています。
また、共働き世帯や子育て世代の増加により
家は守るだけでなく
暮らしを支える存在
というニーズが顕在化してきました。
あまやどりの家はデザインの力と知恵と技術で
住みやすさと快適性という
住宅に求められる基本的な要素だけでなく
自然と共存し、楽しみ、感謝できる仕組みを
敷地内に取り入れました。
昔の日本人は、光と影、風や音
季節の花や植物を活け、飾ること
そんな自然を暮らしのしつらえに取り込み
四季そのものも愉しみに変えてきました。
雨庭(あめにわ)も、その系譜にあります。
長雨の時には屋内で池を眺め
大雨の時には荒ぶる川を治め
雨を待ち遠しいと思える暮らしは
心に豊かさと、安心と余裕をもたらします。
グッドデザイン賞とは─「Gマーク」が示す第三者評価
グッドデザイン賞は
公益財団法人日本デザイン振興会が主催する
日本発の総合的なデザイン評価制度です。
プロダクトや建築物などの
仕組み・サービス・地域の取り組みまでを
対象に美観の良し悪しだけでなく
「社会・生活にどんな価値を生むか」を
総合的に審査します。
受賞の証であるGマークを見ると
◆魅力的
◆優れた機能・性能
◆品質が良い
◆使いやすい
を連想すると言われています。
住宅会社を検討する方にとっては
比較検討の安心材料となりまし。
企業にとってはモチベーションと自信
そして社員の誇りに繋がります。
何が評価されたのか─雨庭が担う“機能する美しさ”
雨を「ためて・しみ込ませて・ゆっくり流す」
あまやどりの家の外構計画の核は雨庭。
屋根や敷地内に降った雨を
樋や浅い緑溝でやさしく集め
植栽が繁る浅いくぼ地でいったん受け止め
雨の日にだけ現れる池として愉しみ
時間をかけて地中へ浸透させる
“仕組みのある日本庭園の技法”を実現。
これにより、敷地内に降り注いだ雨を
道路・下水へ向かう流出スピードを遅らせ
一気に水が集まってしまうことを抑制します。
内水氾濫を少しでも食い止める一助となり
水害に悩む久留米市の課題解決を実践。
普段は瑞々しい景観をつくり
非常時には安全弁として働く
まさにフェーズフリーな装置です。
フェーズフリーとは
日常と非常を分けずに考え
ふだん使っている仕組みやサービスが
災害時にもそのまま力を発揮するという
防災の考え方です。
特別な備えを増やすより
毎日の暮らしの質を高める工夫が
そのまま「もしも」に強い家につながる。
あまやどりの家では、雨庭や
高断熱・高気密、IoTといった日常の快適が
豪雨や停電といった非常時にも
“いつも通り”を支える機能として働きます。
なぜ久留米で雨庭なのか
久留米では近年、線状降水帯を伴う
短時間強雨や厳しい猛暑の長期化が
“新しい平常”になりつつあります。
平野部の住宅地では、下水や側溝に雨が
同時多発的に集中することで
内水氾濫のリスクが高まります。
敷地単位の雨庭が流出ピークをずらし
雨庭の傘が広がると街全体の負荷を平準化する
そのグリーンインフラ的な視点と
住まいの中で実装可能な現実解であることが
あまやどりの家を通じで理解できます。
あまやどりの家の「住まいとしての技術と性能」
雨庭で雨のリスクを緩和し
屋内は断熱・換気・動線を整えて
日々の暮らしの心地よさを底上げします。
<断熱等級6以上×気密検査>
熱の出入りと隙間を抑え温度ムラの
少ない室内と低負荷な冷暖房を実現。
停電時にも室温が極端に崩れにくい
有事の際も余裕をもたらします。
<静けさと空気感>
高断熱化による外部騒音の抑制と
計画換気による澄んだ空気。
外部の音を抑えることで
静かなプライベート空間が保たれます。
逆に室内の音も外に漏れにくい効果も。
<ライティング>
庇やハイサイドライトで直射をコントロールし
壁・天井や梁でやわらかく拡散。
明るさは“量”ではなく“質”で整えます。
<家事動線×IoT>
回遊性の高い短い動線と
直感的に使えるIoTで家事の負担を低減。
持続可能な省エネを日常に落とし込みます。
これらは受賞の直接要件ではありませんが
暮らしの質を長期で支える基盤として
あまやどりの家が雨宿りたらしめる所以です。
外(雨庭)と内(断熱・気密・光・Iot)が
響き合うことであまやどりの家が備える
快適・健康・省エネ・レジリエンスが
同時に成立し、雨が降っても安心して楽しく
そして快適に住める空間となります。
雨が美しく、癒しになる家

外観

エントランス

玄関

エントランスからリビング方向

キッチンからリビング

リビングダイニング

2階からリビング

LIXILメンバーズコンテスト2024「空間デザイン賞」トイレ

洗面化粧台

浴室「スパージュ」

エクステリア

昼の雨庭とウッドデッキ

夜の雨庭とウッドデッキ

夜のあまやどりの家

あまやどりの家
あまやどりの家の見学のご案内
雨庭の真価は、雨の際に発揮されますが
ご来場いただく際の天候は予測できません。
しかし、たとえ雨が降っていない
「日常」であっても
「あまやどりの家」の本質を知ることは
十分に可能です。
室温と湿度の心地よさや空気の清澄感
やわらかな光が室内全体を照らす
パッシブデザインを備えた
あまやどりの家が実現する
「日々の快適さ」こそが
大雨や猛暑といった
天候の変動に左右されない
「暮らしの強さ(備え)」
そのものだからです。
それこそが、雨庭の根底にある
『自然と共生する』
という知恵を体現しています。
是非、雨の日だけでなく
日常のあまやどりの家の住まいの価値を
体感してみてください。
【ご相談範囲】
新築
注文住宅
リノベーション
リフォーム
外構(雨庭)
省エネ・防災計画
非住宅の建築物(店舗や倉庫等)
<ご予約方法>
お電話またはフォームより
(駐車スペース有り・お子さま連れ歓迎)

住宅をご検討中の方以外の見学・説明について
住まいのご検討に限らず
見学や取り組みのご説明も承っています。
内容に応じてご案内しますので
まずはお問い合わせください。
研究・活動・視察の一環としての
ご相談、見学も可能です。
地域に根ざす課題をデザインで解決する
この度のグッドデザイン賞受賞は
変わりゆく日本の気候と暮らしに対し
古くからの日本人の感性と知恵を
弊社がこだわってきた職人技術と
智原聖治氏のデザインによって
現代の形に再構築した点が
沢山の方に評価された結果です。
この受賞を励みに
たび重なる水害に直面する久留米から
雨庭を備えた住まいや施設
さらに公園や学校へと取り組みの輪を広げ
まち全体で雨を上手に受けとめる
仕組みを育てていきます。
久留米から九州へ、そして全国へ
雨と調和して暮らす景色を
皆さまとともに少しずつ
広げていければ幸いです。
梅原建設株式会社
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「あまやどりの家」に反響続々!